収益物件の指値の出し方! 2011.06.17 (金曜日)

こんにちは、樋口です。
収益物件の購入を考えるときに、やっぱり安けりゃ安いほうがいいですよね。
でも、同じく買いたい人がいる中で根拠の無いあまり無茶な指値をしても、基本買えることは少ないと思います
そこで、安全な投資をするためにも、指値を決めるためには、自分の投資スタンス(指標)から逆算で出すのが一番確実だと思います。
たとえば、
年間収入 500万円
価格 5000万円
表面利回り 10% の6戸のファミリータイプアパートを想定します。
家賃相場を調べたところ、
家賃60,000円でしか成約しそうにありません。
とすると、
GPI(潜在総収入)は、
60,000円×6戸×12か月=4,320,000円になり、実際の表面利回りは、8.64% ってことになります。
実際の表面利回りを出すのがまず1つ目に大事なところです。
地場の不動産会社に確認するのが、一番早いですが、HOMESやSUUMOなどのサイトでもある程度の相場観をつかむことができます。
空室率が10%
運営費が15%と想定し、
NOI(ネット収入)は、4,320,000円 ×75%=3,240,000円 になります。
一番大事なのは、このNOI(ネット収入)です。
ここはきっちり押さえましょう
このNOIに対して、安全性を見ていきます。
負債に対してどのくらいネット収入があるか?を見る指標として下記があります。
DCR(負債支払の安全率)=NOI/ADS(元利の返済額)
DCRは1.3以上あれば安全圏と言われているので、
ADS(元利の返済額)=NOI(3,240,000) ÷ DCR(1.3)で、
ADS(元利の返済額)は、約249万円以下にしないといけないということになります。
25年返済
3.5%のローンが組めるとすると、
K%(借入に対する年間返済の割合)は6%
ADS(2,490,000円) / K%(6%)=LB(ローンの借入限度額)なので、LB(ローン借入限度額の)は41,500,000円が上限と算出できます。
ここで、年間のCF(手取収)は、
NOI(3,240,000円) - ADS(2,490,000円)
CFは、750,000円です。
投資金額を5年で回収したい、つまりCCR(投資額の回収率)を20%確保するとしたら、CCR(20%)=CF(750,000円) ÷ E(自己資金)なので、
E(自己資金)=3,750,000円と算出できます。
つまり、総投資額は、E(3,750,000円) + LB(41,500,000円)= 45,250,000円
この額で購入したら、いくらくらいのネット利回りになるのかって計算すると、
NOI(3,240,000円)÷ 総額(45,250,000円)= 7.16%(ネット利回り)
キャップレートが7%くらいとすると、ほぼ相場。
あとは、購入諸費用を8%くらいで見て、これを引いて、
45,250,000円 ÷ 108% = 41,900,000円くらい
ついでに100万円くらい外壁工事がかかりそう、、ってことならさらにその額を引き、40,900,000円で指値!!ってことになります。
(補足)
ちょっとややこしいですので、簡単に出すとすると、最初は収益還元法で、ざっくり出しておいたらいいと思います。
V(物件価値) = I(ネット収入) / R(期待利回り)なので、
上記の数値で出してみると、
V(物件価値) = 3,240,000円 / 8% =40,500,000円
って感じです。
ややこしいって方はご相談ください!
では、今回もお付き合いありがとうございました
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この記事を書いた人
樋口次郎
倒産寸前から現在まで、個人商店から組織形態まで、新卒入社から営業統括責任者、取締役を経て、現在は常務取締役 兼 グループ会社の代表取締役社長として1つの会社でリアルに濃く実践中です。
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