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儲かっている儲かってないの賃貸収支の考え方 2011.05.27 (金曜日)

樋口さんアイキャッチ

こんにちわ。不動産コンサルタントなFP社労士の樋口です。

 

賃貸物件を成約に導くためには、多くの費用がかかっています。
同じグレード、立地の物件があったとして、部屋をグレードUPせずに早く決める為には、

礼金、敷金を下げる(ゼロにする)
客付け業者への広告料を上げる
家賃を下げる

などが考えられます。

 

ただ家賃を下げてしまうと、次に戻しにくくなる、物件の売却価値が下がる、ということが考えられますので、最後の最後の手段です。
ただ、周辺相場に近いところに合わせていかないと、勝負の土台に立てないのが現状で、要注意です。頑なに家賃のダウンをしないでいると、100円のハンバーガーを150円で売っているというような感じになります。

たとえば、チーズが2枚入っているとか、肉が2枚入っているとか、付加価値があれば別ですが、それか、ピクルスが5枚入っているとか、少数派がかなり気に入る要素があるとかDASH!

全般的に、今は、借り手が相当強い印象です。


【賃貸条件】
20㎡のワンルーム
礼金 50,000円
敷金 50,000円
家賃 50,000円
広告料1ヶ月  ▲50,000円
退去補修費   ▲100,000円
平均居住期間 30ヶ月(2年半)
*一切家賃交渉には応じない

という条件設定を前提に考えてみます。


そのままの条件で成約したとして、

家賃50,000円×30ヶ月=
1,500,000円+礼金50,000円-広告料50,000円-退去補修費100,000円=1,400,000円 ・・・ ①

これが、この契約のアッパー収入です。これに、空室期間と広告料の綱引きで、総収支が決まってきます。


空室期間が3ヶ月 ▲150,000円
室期間が6ヶ月 ▲300,000円
広告料2ヶ月 ▲100,000円
広告料3ヶ月 ▲150,000円

同じ条件であれば、不動産業者は間違いなく、実入り(広告料)が多いところを薦めます。

 

お客さんの絶対数が少ない時期は、お客さん自体も少ないので、物件は選び放題な状態です。そのため、今の時勢と相まって、平気で6カ月空室とか1年空きっぱなしって状態が起きてきます。

 

こういう時期は、空室期間での収入減と広告料での支出増とのバランスを考えてこのままの条件でいくとすると、空き続けそうな期間を予測したうえ、広告料の増額で興味を引き付け、賃料を維持し、空期間の短縮を図る。というのが、よいのではないでしょうか。

 

収支は、30ヶ月くらいで考えることが大事です。平均30か月の入居期間として、広告料を2か月支払って、空室期間が1か月あったら、

27か月 ÷ 30か月 =10%

ってことになります。

 

数字だけで考えると、空室ゼロで、広告料ゼロで家賃を10%下げたのと同じという見方もできます。

損切りをどこで考えるか?という感覚かもしれないですね。

 

もうひとつは、敷金、礼金をゼロにすることも有効です。
ただし物件と地域によっては、敷金礼金ゼロで、広告料が2ヶ月で、くらいでないとインパクトは弱いかもしれません。

ホームズやスーモなどのサイトで対象地域の傾向を調べることができますので、対象物件の戦っている環境を掴んでおくことは大事です。

 

 

この記事を書いた人

樋口次郎
倒産寸前から現在まで、個人商店から組織形態まで、新卒入社から営業統括責任者、取締役を経て、現在は常務取締役 兼 グループ会社の代表取締役社長として1つの会社でリアルに濃く実践中です。


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